[PR] マリッジリング

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  • 2018.11.23 Friday
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  • by スポンサードリンク

内容(「BOOK」データベースより)

あの人の内部には、淀んだ流れがあった―。28歳の井出菫は、かつて恋人に撮影を許したヌード写真が、ネットにアップされていることを偶然発見する。その恋人、垂井光成は菫の家族や仲間の前では見せないが、どこか不安定な危うさを秘めており、ついていけなくなった菫から別れを告げた。しかし、なぜ6年も前の写真が出回るのか。苦しみの中、菫は光晴との付き合いを思い起こす。初めて意識したのは、二人して渋谷から暗渠を辿って帰った夜だった…。菫の懊悩と不安をすくいとりながら、逆境に立ち向かうしなやかな姿に眼差しを注ぐ、清々しい余韻の会心作。

共学に来て驚いたのが、思春期に異性が身近にいた女の子たちが、男子が気持ちよく過ごせるよう実にさりげなく心を砕いていることだ。それは、媚びるというのではなく、ごく自然似、息を吸うように当たり前に彼女たちの中に組み込まれているので、びっくりする時がある。

「だいたい、私だっていつこういう目に遭うかわからないじゃん。元彼みんなといい別れ方してる女なんて、人に見せたくない写真を一枚も撮られたことない女なんているの?」

「それがさー、犯罪者予備順みたいなやろうかと思ったら、本当に普通の地味な真面目そうな男の子なんだよ。私達教師が取り囲んで追求したら、すっかり小さくなっちゃって。泣きながら、どうして嫌われたのかわからなくて、ちゃんと会って話をしたくて、ってくどくど弁解して。どれだけ怖がらせたか、こっちがどんなに言葉を尽くしてもピンとこないみたいでさ。被害者意識が以上に強くて、自分が加害者側だってことがさっぱりわからないの。つまりさ、彼らにとって、女の子は所有物みたいなものなんだよ。所有物がいきなり意思をもって、言葉を発して、逃げ出したから、びっくりして動揺して、どうしていいかわからなくなって追いかけて連れ戻そうとしているうちに、トチ狂っちゃったの。同じ人間と付き合っているっていう意識がないから相手の気持を無視した、ああいう行動がなんの悪意もなくできるの」

女の羞恥や恐怖が最高のスパイスになるなんて、なんて歪な欲望のあり方なんだろう。そもそもそれは欲望なんだろうか。欲望と勘違いされている、形を変えた一種の憎しみなのではないだろうか。
「あんまり言いたくないけど、日本はそういう風潮を増長させるところがあるよね。アダルトビデオだけじゃなく普通の漫画とかテレビ番組まで…。嫌がっている女の子を性的に貶めてるのを堪らないってやつ。そういうのにぐっときちゃうのは男だから仕方がないって、開き直っていい空気もあるよね」
「そういえば小さい頃みたアニメ、無意味にヒロインの服が破かれたり脱がされたりして、キャーッていう展開のやつ多かったよね。スカートめくられたり、お風呂を覗かれたり、真っ赤になって嫌がってるのに、何故か男の子側は許されて当たり前なの。欧米の子供向けアニメでああいうの見たことなくない?」


「ああいうのを小さい頃から見ていたら、絶対に性嗜好に影響するよね。よく既婚者が、奥さんに恥じらいがなくなって女として見れないとかいうけど、あれも男の人の性っていうより、恥ずかしがるとか嫌がる、が過剰に良いものだとされる社会全体の刷り込みじゃないかな」

垂井さんて、私みたいなのは基本的に莫迦にしてるじゃないですか。でも、自分から好きになるようなタイプにだって、相手がいざ振り向くと軽んじるし、結局、女を認められないんですよね。過去に辛いことが会ったのかもしれないけど、そんなの、私のせいでも、まして彼女のせいでもないですよね?」

なんの悪気もないけれど、いつも自分のことで頭がいっぱいのために上の空で、意図せずに他人を破滅させてしまう種類の人間。
  • 2018.11.23 Friday
  • 23:08
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  • by mimi

西川 美和
文藝春秋
(2015-02-25)

内容(「BOOK」データベースより)
長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。


理性と秩序の中で生きる大人にとって、子供は整然とした日常をかき乱すアンコントローラブルで危険な魔物だ。ぼくはそんな理由で、子供を持たない人生を選択して来た。しかし理性と秩序?何を言う。まるでその逆。このぼくこそが、子供の王様なのだ。障害アンコントローラブルでわがままで、無責任極まる危険な魔物の代表であり続けたいがために、同種との共存を拒んだのだ。ごくたまに自分の遺伝子を残してみたい、という本能的な思いが鎌首をもたげることがあっても、それを実行に移そうとはしなかった。我が子ができてからも人の親になり切れなかった世間の子供の王様達が起こす悲劇の例を参照したぼくなりの判断だ。ぼくは人の親になれるような人間じゃない。「なんとかなるものさ」という他人の言葉は信用ならない。(中略)なんともならなかった時、「なんとかなるさ」と言った連中は、何をしてくれる?ぼくは子供が嫌いなんじゃない。そう信じてる。ただ、「不幸な子供」の親にだけはなりたくなかったんだ。



生きているなら、どうにでもなる。死が分かつまでは、人間同士は何とかなる。


「大丈夫だ、真ちゃん。みんな、生きてりゃ色々思うもの。汚いことも、口に出来ないようなひどいことだって。だからって、思ったことがいちいち現実になったりするわけじゃない。ぼくらはね、そんなに自分の思う通りには世界を動かせないよ。だからもう自分を責めなくていい。だけど、自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいになる。ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる。簡単に、離れるわけないと思ってても、離れる時は、一瞬だ。そうでしょう?」
  • 2018.11.17 Saturday
  • 16:05
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  • by mimi

小島 慶子
文藝春秋
(2017-04-20)

 相手のいいところとだけ付き合いなさい、とよく母は言っていた。嫌なところは見ないで、いいところだけ、飛び石みたいにつないでやっていけばいい。人はみんな、般若の顔と仏の顔を持っているもの。(中略)と爪帰りの母からは、いつもよそよそしい人混みの匂いがした。母もいろんな思いをしているのだなあと、子供心にもその苦労がわかるような気がしたのだった。


家にこもりきりの女たちの話題は、夫の悪口と子供の話ばかり。こんな退屈な会話を何十年も続ける専業主婦の人生なんて、ぞっとする。


沖田は自分が話したいことを一方的に喋るだけで、妻の話は聞いていない。唐突に「愛してるよ」ということもあるけれど、(中略)あれはただ、そう言いたいから言っているだけなのだ。(中略)そんな身勝手な愛情表現はいらないから、鍋を洗ってほしい。ももかをあやすのを代わってほしい。私の話を聞いてほしい。


どうやら起きたが子育てに無関心なのは、女がやるべきだと思っているからではなく、自分が当事者だという発想がないからだとわかった。


宏美の結婚相手が自分たちよりも待遇のいい企業に勤める男だと知ると、男性の同僚や上司の態度が変わった。お前は旦那野高い給料で食わしてもらうんだろ。女はいいよな、所詮自分の給料は小遣い稼ぎなんだから。(中略)男は女を見下しているんじゃない。嫉妬しているのだ。
 彼らが自分よりも稼ぎのいい女性と結婚する可能性は限りなく低い。だけど女はいくら男と対等に働きますと言っていても、玉の輿にのって勝ち逃げすることができる。安い給料でパートの妻と子供たちを一生食べさせなくちゃならない俺達とは違うよな、と言いたく鳴るのもわかる気がした。(中略)
 女は弱者だと聞かされてきたし、そう宏美も信じていた。でも男並みの待遇で働く女は、男からみたら自分よりもっとたくさんのチャンスを手にしている強者なのかもしれない。



宏美の悪い噂が立った途端に態度を変えた子たちは、自分が正しいことをしていると信じているみたいだった。人気者が支持者を裏切ったら、人一倍の制裁を受けても当然だよね。私達の好意を返して。
 人はそうやって、正当に誰かを傷つける機会を探している。素敵なあの人ではない自分を行きなくてはならない対価として、その権利が与えられていると信じているのだった。


戻ってご飯を作れとでも言うのか。まだチキンサンドにも手を付けていないし、(中略)前だったら、慌てて家に戻ってごはんを作ってあげていただろうな。年が離れていることもあり、沖田には尽くさないといけないと思っていた。専業主婦なのだから家事はきちんとやらないと、という意識も強かった。


夫はどうせ産むのも育てるのも私だと思っているから簡単に欲しいって言うんですよ。小学生が犬を欲しがる王な感覚とさして変わらないように見えるんです。


「だから、人間関係は選べない、ってこと。だーれもいないところでひとりぼっちで生きている人なんて、いない。胸糞悪くても、いちいち気に障っても、ブチ切れたり嫌味を言い合ったり、比べっこして陰口言って、足を引っ張ることばかり考えていても、それでもどこにも居場所がないよりはマシでしょ。とくに、仕事をしていない女は、男と違って肩書がないから、とりあえず蒸れなきゃ生きていけないのよ。どんな腐れ縁の、うわべだけの群れでも、所属する場所があるって大事なことなの」
  • 2018.01.09 Tuesday
  • 13:23
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  • by mimi


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